スウェーデンのデパートAhlens

スウェーデンのデパートAhlens

目次

スウェーデンのデパートAhléns(オレーンス)。
あのストックホルム・デザインラボがCIを手掛けたらしいです。

このマグカップ子供に買ってあげたくなった。

Ahlens

日本で売ってないのかなー

Ahlénsの歴史

Ahlénsは1899年、スウェーデン中部ダーラナ地方の小さな町インフェーン(Insjön)で、ヨハン・ペッテル・オレーン(Johan Petter Åhlén)とエリック・ホルム(Erik Holm)の2人によって創業されました。当初の社名は「Åhlén och Holm(オレーン&ホルム)」で、通信販売ビジネスとしてスタートしています。最初に販売した商品は王室一家の肖像画のプリントで、なんと10万枚以上を売り上げる大ヒットとなりました。

創業からわずか10年で、会社の資産は150万スウェーデン・クローナに達し、従業員は255人にまで成長。1915年には従業員の半数とともにストックホルムへ本社を移転し、7階建ての大型倉庫ビルを確保して事業を拡大しました。1932年には低価格路線の小売店「Tempo(テンポ)」をストックホルムのエステルマルムストリに開店。1964年にはストックホルムの中心部に旗艦店「Åhléns City」をオープンし、これが現在もストックホルム最大級のデパートの一つとして営業しています。1985年にはすべてのTempoがAhlénsブランドに統合されました。

北欧らしさを取り戻すリブランディング

ストックホルム・デザインラボがAhlénsのCI(コーポレート・アイデンティティ)を手掛けた背景には、ブランドの大きな転換がありました。Ahlénsはかつて、テレビからタオル、おもちゃ、食品までなんでも揃う大型量販店として知られていましたが、より洗練されたモダンなデパートへと生まれ変わることを目指していたのです。事業領域もファッション(Mode)、ビューティー(Skönhet)、ホームウェア(Hem)、メディア(Media)の4つに絞り込みました。

それ以前、他のコンサルタントの助言によってAhlénsはヨーロッパ的でジェネリックなイメージへと向かっていましたが、ストックホルム・デザインラボはまったく逆のアプローチを提案。Ahlénsの独自性が薄れつつあった中で、北欧らしさを誇りを持って取り戻すべきだと考えました。

その鍵となったのが、ブランド名に含まれるスカンジナビア特有の文字「Å」です。この一文字をシンボルとして、ロゴタイプ、タイポグラフィ、カラーパレット、フォトグラフィ、店舗環境、サインシステム、パッケージデザインまで、すべてのデザインプログラムが構築されました。「Å」というたった一つの文字からスウェーデンらしさを凝縮して表現するという、非常にシンプルかつ力強いブランディングです。

デザインの見どころ

実際にAhlénsのプロダクトやパッケージを見ると、北欧デザインの美学が随所に感じられます。余白を活かしたクリーンなレイアウト、抑えたカラーパレット、そして「Å」をモチーフにした統一感のあるビジュアルシステム。マグカップやステーショナリーなどの日用品にも、このデザイン哲学がしっかり反映されていて、手に取るだけで北欧気分を味わえるアイテムばかりです。

ストックホルム・デザインラボといえば、IKEAのブランディングも手掛けたことで知られる北欧を代表するデザインファームですが、Ahlénsの仕事はその中でも特に、ブランドのルーツに立ち返ることの大切さを教えてくれるプロジェクトだと思います。グローバル化が進む中であえてローカルなアイデンティティを武器にするという戦略は、デザインに関わるすべての人にとって示唆に富んでいるのではないでしょうか。

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