用語解説

色彩

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色彩(しきさい、color)は、物から届く光を目と脳が受け取って生じる色の知覚と、その色を体系立てて扱う考え方を指す言葉である。日常語の色とほぼ同じ意味だが、美術やデザインでは、色の性質や組み合わせを論じるときにこの語が使われることが多い。

近代の色彩論は、アイザック・ニュートンが1704年に出した『光学』から始まる。プリズムで白い光を分け、虹の色を円に並べて、色の混ざり方を予測できる図を示した。この円を、ニュートンは音階になぞらえて七つの色に分けている。これに対しゲーテは1810年の『色彩論』で、人が色をどう感じるかという体験の側から色を論じている。1839年には、フランスの化学者ミシェル=ウジェーヌ・シュヴルールが、隣り合う色が互いの見え方を変える同時対比の法則をまとめ、印象派の画家たちに影響を与えた。

色を数値で扱う道を開いたのは、アメリカの美術教育者アルバート・マンセルである。1905年の『色彩の表記』で、色を色相、明度、彩度の三つの軸で表す方式を示した。色の名前ではなく記号と数字で色を特定するこの考え方は、いまも色の指定や工業規格の土台になっている。

20世紀の美術教育でも、色彩は中心的な科目だった。バウハウスでは、ヨハネス・イッテンが予備課程で色の対比を教え、のちにアメリカへ渡ったヨーゼフ・アルバースは、同じ色が周りの色しだいでまったく違って見えることを、色紙を使った演習で学生に体験させた。

デザインの現場で扱う範囲は広い。印刷のインクと画面の光では色の再現の仕組みが違い、色見本帳で番号を決めてずれを防ぐ。企業や商品を見分けさせる色の選び方、色の見え方が人によって異なることへの配慮も、色彩の問題に含まれる。

ブランドの色が人を動かす仕組みはなぜ「赤い本」は売れるのかで、映画の画面を色で設計した例はウェス・アンダーソンの色彩設計で取り上げた。見る仕組みの側から色を考えるなら、マッカロー効果とはとoloが手がかりになる。