用語解説

インフォグラフィック

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インフォグラフィック(infographic)は、情報やデータを、グラフや地図、図解、アイコンなどを組み合わせて視覚的に伝える表現である。英語のインフォメーション・グラフィックス(information graphics)を縮めた語で、インフォグラフィクスとも書かれる。

数字を並べた表と違うのは、量の大小や時間の推移、場所の広がりを、見た瞬間に比べられる形へ置き換える点にある。統計グラフのように正確さを優先するものから、記号やイラストで要点だけを伝えるものまで幅は広く、どこまで単純化するかが設計の中心的な判断になる。

近代的な出発点とされるのは、1786年にスコットランドのウィリアム・プレイフェアが刊行した『商業政治地図帳』で、折れ線グラフと棒グラフがここで初めて本格的に使われた。彼は1801年の『統計要覧』で円グラフも発表している。19世紀には、統計を説得の道具に変えたフローレンス・ナイチンゲールのローズ・ダイアグラム(1858年)や、ナポレオンのロシア遠征で兵が減っていくさまを一枚の地図に描いたシャルル・ジョゼフ・ミナールの図(1869年)が生まれた。

20世紀に入ると、絵による統計は大衆に向けた言葉になる。ウィーンの社会学者オットー・ノイラートは1925年ごろから、人や工場を同じ形の記号の数で示す方法を開発し、これがのちにアイソタイプと呼ばれる。1933年には、ハリー・ベックが駅の実際の位置を捨て、路線のつながりだけを描いたロンドン地下鉄路線図を発表した。

新聞が日常的に図解を載せるようになったのは1980年代で、1982年に創刊されたアメリカの全国紙『USAトゥデイ』が、カラーのグラフを毎日の紙面に組み込んだことが転機とされる。ウェブのデータジャーナリズムや、感染症の流行を伝えるダッシュボードは、その延長にある。

グラフそのものの発明はプレイフェアの記事で、統計で政府を動かした一枚はナイチンゲールのローズ・ダイアグラムでたどった。アイソタイプの人型記号はシュレンマーの「人体アイコン」で、地理を捨てた路線図はハリー・ベックの記事で読める。