用語解説

ブックデザイン

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ブックデザイン(book design)は、本の判型、紙、書体と組版、余白、表紙やカバー、綴じ方までを、一冊の本として設計する仕事である。日本語では装丁(装幀)や造本とも呼ばれるが、装丁は表紙まわりの意匠を指して使われることが多い。

本の形の多くは、写本と初期の活版印刷の時代に決まった。15世紀半ばにグーテンベルクが活版印刷を始めたあとも、ページの中で本文の四角をどこに置き、余白をどう取るかには写本以来の比率の定型が受け継がれたとされ、20世紀にはラウル・ロサリーボやチヒョルトがその比率を測り直している。

19世紀末、機械印刷の粗い本に反発したウィリアム・モリスは、1891年にケルムスコット・プレスを興し、活字、紙、装飾、製本までを自ら設計した。1896年の『チョーサー作品集』はその頂点とされる。1900年にはダヴズ・プレスが続き、装飾を抑えた端正な本づくりで影響を与えた。こうした私家版印刷所の運動は、本を工芸品として見直すきっかけになった。

20世紀に入ると、課題は量産の本をどう整えるかへ移る。1947年から49年にかけてペンギン・ブックスに招かれたヤン・チヒョルトは、4ページの組版規則を書き、各印刷所がばらばらに組んでいた文庫の体裁を統一した。日本では、杉浦康平が雑誌や新書のシリーズで、本文の組み方から表紙、小口にいたるまで本を立体として設計し、戦後のブックデザインに大きな足跡を残している。

画面で読む文章が増えたいまも、紙の厚みや手に持ったときの重さ、ページをめくる順序まで含めて読む体験を組み立てる点に、ブックデザインの仕事の核がある。判型も紙もない電子書籍では、文字の大きさや行間を読者が変えられるため、組版の考え方そのものが問い直されている。

ページの比率をめぐる二人の仕事はページは比率で決まるで、ダヴズ・プレスの活字の運命はテムズ川に沈んだ書体で取り上げた。小口にまで図像を仕込んだ造本は杉浦康平の三次元造本術で読める。