用語解説

インダストリアルデザイン

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インダストリアルデザイン(industrial design)は、工場で量産される製品について、形や色、使い勝手、つくり方までを製造の前に設計する仕事、またその分野である。工業デザインとも呼ばれ、プロダクトデザインとほぼ同じ意味で使われることも多い。

機械生産が広がった19世紀、職人の手を離れた製品の見た目と品質が問われるようになる。1907年、ドイツで工作連盟が結成され、同じ年に建築家ペーター・ベーレンスが電機会社AEGに迎えられた。ベーレンスは電気ポットや扇風機から、ロゴ、カタログ、工場の建物までを手がけ、一つの企業の製品群をまとめて設計するという仕事の原型をつくった。

職業として独立したのは、1920年代から30年代のアメリカである。1926年にウォルター・ドーウィン・ティーグがデザイン専門の事務所を開き、1929年にはレイモンド・ローウィが謄写印刷機の外装を一新して名を上げた。ヘンリー・ドレイファスやノーマン・ベル・ゲデスらも続き、大恐慌のなかで売れる製品を求めた企業は、冷蔵庫や機関車、電話機の形を彼らに任せた。流線形はこの時代の流行である。

戦後は、西ドイツのブラウン社でディーター・ラムスが手がけた簡潔な家電のように、装飾を削って機能を見せる方向が強まる。日本では、榮久庵憲司が率いるGKのデザインで1961年に売り出されたキッコーマンのしょうゆ卓上びんが、いまもほぼ同じ形で使われている。

仕事の中身は外観を整えることにとどまらない。人の体の寸法や動作に合わせた設計、安全性、素材と加工の選択、使い捨てにしないための配慮まで含まれ、近年は製品を使う体験全体を設計する仕事へと広がっている。

企業の製品をまとめて設計した最初期の仕事はペーター・ベーレンスのAEG電気ポットで、技術者の発想から生まれた照明はアングルポイズランプの歴史で取り上げた。安全と使いやすさを設計した例はボルボの3点式シートベルトと処方薬ボトルの革命で読める。