用語解説

コラージュ

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コラージュ(collage)は、紙や布、印刷物、写真などを画面に貼りつけて構成する美術の技法、またはその作品である。語源はフランス語で貼るを意味する動詞コレ(coller)で、紙だけを貼ったものはパピエ・コレ(貼り紙)と呼んで区別することがある。

美術の技法として始まったのは1912年である。この年の春、パブロ・ピカソは籐椅子の編み目が印刷された油布を画面に貼り、縁をロープで囲んだ《籐椅子のある静物》を制作した。9月には南仏ソルグに滞在していたジョルジュ・ブラックが、木目模様の壁紙を木炭の素描に貼って《果物皿とグラス》を仕上げる。こちらが最初のパピエ・コレとされる。描いて再現するかわりに現実の断片をそのまま持ち込むことで、キュビスムは絵画とは何かという前提を揺さぶった。

その後、技法は運動ごとに別の仕事を引き受ける。1910年代末のベルリン・ダダは写真の切り抜きを政治風刺に使い、そこからフォトモンタージュが枝分かれした。クルト・シュヴィッタースは切符や包み紙を拾い集めてメルツと名づけた作品群をつくり、マックス・エルンストは19世紀の版画を切り継いで不気味な物語を組み立てた。1956年には、リチャード・ハミルトンが雑誌広告の切り抜きで居間の情景を組んだ小さなコラージュを発表し、ポップアートの出発点のひとつとなる。

自分で描かずに素材を選び、並べ替えて意味をつくる。この発想は、映画の編集や音楽のサンプリング、画像編集ソフトのレイヤー合成にも通じている。

ピカソとブラックの競り合いと100年の展開はコラージュの誕生で、同じ時代に映画で生まれたモンタージュとの関係は階段を転がる乳母車で書いた。ハミルトンのコラージュがビートルズのジャケットへつながる話は「アビイ・ロード」と「ホワイト・アルバム」にある。