ソール・バス

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ソール・バス(Saul Bass、1920–1996)は、アメリカのグラフィックデザイナーで、映画のタイトルシーケンスを独立した表現に変えた人物である。企業のロゴやポスターでも多くの代表作を残した。

ニューヨークに生まれ、夜間の美術学校で学んだのち、ブルックリン・カレッジでハンガリー出身のデザイナー、ジェルジ・ケペッシュの講義を受け、バウハウス系の造形の考え方に触れた。1946年にロサンゼルスへ移り、映画の広告の仕事から映画界に入る。1954年、オットー・プレミンジャー監督の『カルメン・ジョーンズ』で初めてタイトルを手がけ、翌年の『黄金の腕』では、ぎざぎざに折れた腕の図形一つで、薬物依存を扱う物語の緊張を示した。それまで観客が席に着くあいだの添え物だったクレジットが、映画の主題を最初に告げる場面に変わった。

その後、アルフレッド・ヒッチコックの『めまい』(1958年)、『北北西に進路を取れ』(1959年)、『サイコ』(1960年)のタイトルを担当する。単純な図形と文字の動きだけで、作品の不安や速度を数十秒に凝縮する方法は、以後のタイトルデザインの手本になった。1990年代には、マーティン・スコセッシ監督の『グッドフェローズ』や『カジノ』で、晩年の仕事を残している。

企業のアイデンティティでも、AT&Tのロゴ、ユナイテッド航空のチューリップのマークなどを手がけた。日本では味の素やコーセーのロゴも彼の仕事である。いずれも少ない形で遠くからでも見分けられることを重んじた仕事である。

タイトルシーケンスの革命と、その後のデザインへの影響は映画タイトルシーケンスを芸術に変えた男で、バスの切り開いた道をより暗い方向へ進めた後継者はカイル・クーパーの衝撃的デザイン哲学で取り上げた。