フォトモンタージュ(photomontage)は、複数の写真を切り貼りしたり暗室で焼き重ねたりして、一枚の新しい画像に組み立てる技法である。写真を素材にしたコラージュの一種で、フォト・モンタージュとも表記される。デジタルの画像合成も、広い意味ではここに含まれる。
前史は19世紀半ばの写真にある。1857年、オスカー・レイランダーは複数のネガを組み合わせて寓意画《人生の二つの道》を一枚に焼き付けた。当時は合成印画(コンビネーション・プリント)と呼ばれ、写真を絵画に近づけるための手段だった。
名前が広まったのは第一次世界大戦の終わり、1918年から1919年ごろのベルリン・ダダからである。ラウル・ハウスマン、ハンナ・ヘッヒ、ジョン・ハートフィールド、ジョージ・グロスらは、キュビスムの画家たちのコラージュと区別するためにこの語を使った。ドイツ語のモンタージュは機械の組み立ても指す。彼らは自分たちを画家というより組立工に近い存在と考え、雑誌や新聞の写真を刻んで社会を風刺した。誰が最初に言い出したかについては、のちに当人たちの主張が食い違っている。
技法がもっとも鋭くなったのは政治の場だった。ハートフィールドは1930年から1938年にかけて労働者向けの写真雑誌『AIZ』の表紙などでナチスを批判する作品を発表し続け、ソ連ではアレクサンドル・ロトチェンコやエル・リシツキー、グスタフ・クルツィスが、写真と幾何学的な文字組みを組み合わせたポスターや本をつくった。写真の本当らしさを借りて、現実には起きていない場面を見せられる。その力は、この技法の武器であり危うさでもある。
ハートフィールドの仕事はジョン・ハートフィールドとフォトモンタージュで、リシツキーの自画像を含むロシアの写真表現はロトチェンコのカメラで扱っている。貼る技法全体の歴史はコラージュの誕生から読める。