アンディ・ウォーホル(Andy Warhol、1928–1987)は、アメリカの美術家で、ポップアートを代表する一人である。缶詰や紙幣、映画スターといった大量消費社会のイメージを、シルクスクリーン印刷で反復して作品にした。
ペンシルベニア州ピッツバーグで、スロバキア系移民の家庭に生まれた。カーネギー工科大学で商業美術を学んだのちニューヨークに移り、1950年代は靴の広告などで知られる売れっ子の商業イラストレーターだった。1962年7月、ロサンゼルスのフェラス・ギャラリーで、キャンベルスープ缶を32種類描き分けた絵画を並べた初の個展を開く。同じ年、女優マリリン・モンローが亡くなった数週間後には、宣伝用写真を50回刷り重ねた《マリリン・ディプティク》を制作した。
写真製版を使うシルクスクリーンは、手で描く痕跡を消し、同じ像をいくらでも増やせる。ウォーホルはこの方法で、芸術家の手わざや一点物の価値という前提を揺さぶった。アトリエは銀色に塗られたファクトリーと呼ばれ、映画制作や、ロックバンドのヴェルヴェット・アンダーグラウンドのプロデュースの拠点にもなった。1967年に手がけた同バンドのアルバムのバナナのジャケットはよく知られている。
1968年に銃撃されて重傷を負ったのちも、雑誌『インタヴュー』の創刊や、依頼に応じた肖像画の制作を続けた。1987年、手術後の合併症でニューヨークで亡くなっている。
同じ肖像を格子状に反復した手法の力はグリッドに並べる暴力と説得力で、ウォーホルの作品を作り直したスターテヴァントと借用の問題はアプロプリエーション・アートとはで取り上げた。