white-screen.jpさんのおかげでw
とりあえず知らない人はこれを見てみましょう。
クレジット見て驚き。Alex Romanという人がほとんど作ってます。この人の詳細はwhite-screen.jp:アレックス・ローマン監督、世界を驚かせたフォトリアルなCGアニメ「The Third & The Seventh」に詳しく書いてあるので興味のある方はぜひ。
Alex Romanとは誰なのか
Alex Romanはスペイン出身のCGアーティストで、本名はJorge Seva(ホルヘ・セバ)。建築ビジュアライゼーション(建築CGパース)の分野で活動しており、3ds MaxとV-Rayを主なツールとして使用しています。彼が世界的に注目を集めたのが、2009年に公開された短編映像作品「The Third & The Seventh」です。
当時、この作品はVimeoにアップロードされるや否や爆発的に拡散し、CG業界のみならず映画や建築の世界でも大きな話題となりました。「これが本当にCGなのか?」と多くの人が疑ったほどのフォトリアリズム。そしてさらに驚くべきことに、モデリング、ライティング、アニメーション、コンポジット、音楽選定まで、この12分29秒の作品をほぼ全て一人で制作したというのです。
「The Third & The Seventh」の何がすごいのか
この作品の最大の特徴は、全編がCGでありながら実写と見分けがつかないレベルのフォトリアリズムを実現している点です。光の拡散、反射、屋内に差し込む自然光の表現、素材の質感――コンクリートの表面、木の温もり、ガラスの透明感――すべてが現実と見紛う精度で再現されています。
作品に登場する建築は、ル・コルビュジエ、フランク・ロイド・ライト、ルイス・カーン、フランク・ゲーリー、ミース・ファン・デル・ローエなど、近代建築の巨匠たちの作品がモチーフとなっています。それらの建築を単に「再現」するのではなく、光と影の変化、時間の経過、空間の雰囲気までを含めた「建築体験」として描いているのが、Alex Romanの真のすごさです。
タイトルの「The Third & The Seventh」は、カメラの絞り値に由来しています。写真における絞り値 f/3 と f/7 を指しており、この作品が「写真」という表現手段への深い理解の上に成り立っていることを象徴しています。実際、作品全体を通じて被写界深度の表現が非常にリアルで、CGなのにまるで実際のカメラで撮影したかのようなボケ味やレンズの歪みまで再現されています。
使用ソフトウェアと制作環境
Alex Romanがこの作品で主に使用したのは、Autodesk 3ds Max(モデリング・アニメーション)とV-Ray(レンダリング)です。V-Rayはフォトリアリスティックなレンダリングに定評のあるレンダラーで、特に建築ビジュアライゼーションの分野で広く使われています。コンポジット(合成処理)にはAdobe After Effectsが使われているとされています。
特筆すべきは、これらはいずれもCG業界では一般的なツールであり、特殊なソフトウェアや専用ハードウェアを使っているわけではないということ。つまりこの作品のクオリティは、ツールの力ではなく、Alex Roman個人のセンスと技術によって生み出されたものだということです。大規模なスタジオでも数十人のチームでもなく、たった一人のCGアーティストがこのレベルの映像を作り上げたという事実が、多くのクリエイターに衝撃を与えました。
その後のAlex Roman
「The Third & The Seventh」の成功後、Alex Romanは建材メーカーのSilestone(シルストーン)のCM映像を手がけるなど、商業映像の世界でも活動を広げました。彼の作品は、CGが単なる「技術デモ」ではなく、芸術的な表現として成立することを証明した点で、CGアートの歴史における重要なマイルストーンといえます。
建築×CG×映像という新しい表現領域
「The Third & The Seventh」が示したのは、建築ビジュアライゼーションの技術が単なる実務ツールを超えて、映像表現として独立した芸術になりうるという可能性です。それまで建築CGはあくまで「建物の完成予想図」を作るための実用的な手段と見なされがちでしたが、Alex Romanはその技術を使って「建築の美しさを感じる映像体験」を作り出しました。
光の動き、空気中の塵の舞い、水面の揺らめき、風に揺れるカーテン――そういった「建築の中の空気感」まで再現することで、見る人に「その場にいる」という感覚を与えてくれます。デザインや建築に興味がある人はもちろん、CGや映像制作に関わるすべての人に一度は見てほしい作品です。
コメント (0)