用語解説

リノベーション

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リノベーション(renovation)は、既存の建物に大きく手を加え、間取りや設備、用途を改めることで、新しい価値や使い方を与える改修のことである。日本では、傷んだ部分を元の状態に戻すリフォームと区別して使われることが多く、用途そのものを変える場合はコンバージョンとも呼ばれる。

英語のrenovationはもともと修繕や刷新を広く指し、元の用途を保つか変えるかを問わない。古い建物を別の用途に作り変える手法は、建築の分野ではアダプティブ・リユースと呼ばれることが多い。

代表例は、使われなくなった産業や交通の施設の転用である。パリのオルセー美術館は、1900年の万国博覧会に合わせて建てられた駅舎を改装し、1986年に開館した。ロンドンのテート・モダンは、テムズ川沿いの火力発電所をヘルツォーク&ド・ムーロンが改修し、2000年に開館している。巨大なタービンホールは、そのまま現代美術の展示空間になった。オランダのマーストリヒトでは、13世紀に建てられたドミニコ会の教会が書店に生まれ変わっている。

設計で問われるのは、何を残し、何を新しく加えるかの判断である。イタリアの建築家カルロ・スカルパは、ヴェローナのカステルヴェッキオ美術館(1958〜74年)で、中世の城の石壁に鉄やコンクリートの新しい部材を接ぎ、古いものと新しいものの境目をあえて見せた。古材や既存の傷を隠さず生かす手法は、いまでは住宅の改修でも広く選ばれている。

日本では2000年代に入って、中古マンションや古民家の改修を指してこの言葉が広まった。建物を壊して建て替えるより資源とエネルギーの消費を抑えられることから、空き家の増加や環境負荷への関心とあわせて、選択肢として定着しつつある。

イタロ・カルヴィーノの旧居だったローマのペントハウスを、侘び寂びの考え方で改修した例はレディオヘッド トム・ヨークのローマ邸を侘び寂びで改修で、マーストリヒトの教会を書店にした例は教会を本屋にリノベーション。で紹介した。